弊社は合同会社という法人格で活動している、いわゆる「会社」だ。

先日、とある助成金の審査の場で、「これからは(PLCのような)ソーシャルビジネスが重要になるんでしょうか?」と質問を受けた。虚を突かれてしまい、咄嗟に回答したものの、しどろもどろになってしまった。後になって少し悔しい思いをしたので、このあたりのことを書いておきたいと思った。

合同会社を選んだのには3つ理由がある。

1つ目は単純に仕事を引き受ける際に「何かしら」の法人格が必要になったから。

2つ目はスピードだ。

PLCは元々、任意団体だったが、2019年に法人化した。NPO法人や一般社団法人など、複数の選択肢がある中で、合同会社を選んだ。シンプルに色々な決め事のスピードを上げたかったからだ。会員や理事や監事がいて、評議会、理事会、総会など稟議を重ねることでクレジット(信用)を蓄積する方法もある。そのことが社会性を帯びることも知っている。が、いまやりたいこと、いまやるべきことは、「いま」が大事なのであって、稟議を待てない。熱が冷めたら、やりたいことが生温くなる。いまやりたいことを、自分たちの責任の負える範囲で、いま決めることを重視した結果が合同会社だった。(←とは言え、一応、役員会はしている)

余談になるが、国際協力の分野だと昨今「ソーシャルビジネス」が幅を利かせてきているように見える。でも、ビジネスってそもそもソーシャルなもの(社会課題を解消しようとしている)だと思うから、ソーシャルビジネスという言葉はなんだかヘンテコに聞こえてならない。私利私欲にまみれたビジネスもあるのだろうが、社会性から切り離されたビジネスは死に体だ。

3つ目は対等な関係のためだ。

20年前に私がタイにインターンに行っていたときに、バングラデシュのUBINIGという調査会社の話を聞いた。Policy Research For Development Alternativeを掲げていて、ビジョンはまさに「THE NGO」だが、たしか法人格は「会社」だったように記憶している。国家財政が限られているバングラデシュで、公助のきかない福祉部門をNGOが担う構造は古くから知られていた。バングラデシュの大規模NGOは、脆弱な国家基盤を背景に大きく成長してきたという指摘だ。だが次第に、開発の対象=いわゆる「貧しい人々」は、NGOの「マーケット(市場)」となり、「貧困層」の存在の維持がNGO存続の重大な関心ごとになっていった(そうだ)。そのことへのオルタナティブとして、UBINIGはNGOではない法人形態を採用した(のだと記憶している)。

私自身も国際協力NGOの舞台で15年ほど活動させてもらった。たくさんの学びに溢れていて、ワクワクする経験も多かった。ただ頭の片隅にあるUBINIGを思い出すたび、相手と対等で居られたかという「問い」にしばしば引きづられることもあった。PLCになって、そのほとんどが交流の活動に移り、この辺りのモヤモヤはかなり晴れた。お互いにやりたい人たちが、持っている資源を出し合って何事かを成すというのはスッキリしている。それは法人化してからも続いている。

ソーシャルビジネスやチェンジメーカーが流行のようで、2019年に法人化したというのは、その時流に乗っているように見られるのだな、と先の審査でわかった。ただ、PLCの場合、そういう時代の変化は全く意識していなくて、「フットワーク軽く、やれること/やりたいことをいまやろう」を追求していったら、合同会社になりました、ということをゃんと伝えておきたかった。そんなことを書き始めたら、「そうだ!会社のHPを借りて書き物をしよう」と閃いたので、これもやることに決めた。「ひとこと言わせて」というカテゴリーをつくったので、気まぐれに綴っていこうと思う。

(文責:下田)